バイトが続かない本当の理由|仕組みで変える飲食店の現場

バイトが続かない本当の理由|仕組みで変える飲食店の現場

「人が足りない」「採用しても続かない」 そんな悩みを抱えていませんか?

私のお店でも常に抱えている大きな課題です。

飲食業界は慢性的な人手不足です。 この先、もっと厳しい状況になるでしょう。

しかし、今の人手を維持しなければ、数字を維持することもできない。
バイトさんがいてくれるから成り立つお店です。
時代の変化とともに、”ただスタッフを増やしても解決しないケース”が増えています。

本記事では、スタッフの定着率を上げ、
同じ人数でも売上と回転率を上げるための考え方を解説します。

若い世代の仕事に対する向き合い方の変化

一昔前の若者の働き方として、バイトをするとなれば、
週に5〜6回入れていたというのがよくある形だったと思います。

今では、週1〜2回しか出れません、なんてことは当たり前です。
一人雇えば、その子がしっかり入ってくれる時代ではないのです。

今では、スマホなどの普及もあり、若者の興味関心は広い分野に向いています。
自分の時間をより豊かに活用するために、時間のバランスを上手に取る傾向もあります。

そういった状況から、スタッフを多く抱えても、出れないときは誰も出れない状況が生まれやすく、
お店を開けるかどうかの瀬戸際、なんてことも多くなってきています。

ですが、価値観の変化は必ず起きるもの。
私たちが若い頃、大人たちからの共感を得られることが少なかったのと同じです。

価値観が変わったのなら、そのなかでどうやって運営していくのかが問われます。
そこで、現場の改善が必要になってきます。

辞めた原因は、スタッフではなく現場にあった

私のお店は回転率が高いので、ピーク時の仕事量は多くなります。
フランチャイズではなく、専門性が高いので、臨機応変な対応も必要になります。

この環境についていけず、数ヶ月で辞めるケースもあります。
しかし、1年経って辞めることが続き、1年いれば続けてくれるだろうと思っていた私にとって、
これはとても考えさせられる出来事でした。

これは根本から見直す必要がある。

一手に様々なことを担う飲食店の仕事に慣れている私たちと違って、
若い子たちには負荷が大きすぎるのかもしれない。

という考えに至り、時間をかけて徐々にバイトの仕事量を減らしていきました。

と言っても、何でもかんでも減らせばいいというわけではありません。
物事によっては、私たちが背負うものが増えることもあります。
行った施策は小さなものから、大きなものまであります。

・お客様に伝えるべきことを絞る
・軽めの情報は各テーブルに表示する
・注文が入ったときの読み上げをやめる
・できる範囲で、覚える内容を写真や文字でテキスト化
・日々の準備や片づけをマニュアル化
・インボイス登録番号はレシートに印字(確認不要)
・POSレジ、QRオーダー導入(レジ入力、オーダーのお伺いが不要)

大まかに言うとこんな感じですが、ニッチなところでも削っていることはあります。

これらに共通しているのは、「熟練を前提にしない」という考え方です。
誰が入っても、同じように動ける。
そのために、動線を見直し、覚える量を減らし、ツールで補う。

仕組みとして残る改善だけが、長く効いてきます。

「人が辞める原因=現場設計」

本当の原因は、
「現場の改善が進まない、変化できない体制」にあります。

現場改善の方法は、お店のジャンルや規模によって異なります。
この記事でお伝えするのは、あくまで私のお店での実践例であり、すべての飲食店に当てはまるものではありません。

多くのお店が抱えている課題は、
せっかく採用したスタッフが短期間で辞めてしまうことです。

その結果、

・求人コストがかかる
・教育コストがかかる
・回収前に離職される
・育成にかけた時間が無駄になる

このサイクルが続けば、損失は確実に膨らみます。

「忙しいなら人を増やせばいい」
「回らないのはスタッフの能力の問題」

そう考えてしまいがちですが、
本質はそこではありません。

重要なのは、
時代の変化に合わせて現場そのものを見直すことです。

同じやり方を繰り返すのではなく、
常に模索し続ける姿勢が求められます。

もちろん、人には向き不向きがあります。
しかしそれ以上に、続けてもらえる環境を整えることが重要です。

よくある失敗は、
ツールだけ導入して現場設計が変わらないケースです。

例えば、

・QRオーダーを導入したのに、オペレーションは従来のまま
・一部のスタッフに依存し、属人化が進む
・一気に変えようとして現場が混乱する

こうした状態では、改善は定着しません。

だからこそ大切なのは、
小さく始めて、数字で判断すること。

これこそが、
仕組みとして定着する改善に共通する考え方です。

これからの飲食店に必要な考え方

人にまつわる課題を上げれば、
採用難と人件費の上昇による利益圧迫は避けて通れません。

全体を俯瞰してみる視点、ホールと料理場の導線を考え、部分最適ではなく全体最適で効率化を図る。

人を増やす経営から、仕組みで回す経営へシフトすることが求められる時代になります。

「人が足りない」と感じたとき、まず疑うべきは人数ではなく、設計かもしれません。

採用力より、設計力
その視点が、これからの個人店には必要だと思っています。