
まずは知ってもらうこと

飲食店を開業してまず最初にぶつかる壁、それが「どうやってお客様に存在を知ってもらうか?」という問題です。
どれだけ良い料理やサービスがあっても、知らなければ存在しないのと同じです。
以前と比べて、紙媒体の力は弱まっていますが、ターゲット層によってはまだまだ効果があります。
若い世代へのアプローチならSNSが有効。
信頼を高め、お店の顔として情報を発信するならホームページを育てるのも一つの考えです。
認知してもらうために何をするべきか見ていきましょう。
広告媒体はターゲット層に合わせて選ぼう

手段はさまざまありますが、初期段階では資金に余裕がありません。
そのためそれぞれの手段には向き・不向きがあります。
- テレビ 広告費が非常に高く、初期投資には不向き(除外)
- 雑誌 新規オープン枠がある媒体なら問い合わせてみる価値あり
- 新聞折込チラシ エリアを限定すればコストを抑えながら広くリーチできる(チラシは自分で作成)
- ホームページ・SNS 低コストで始められ、育成型の広告手段として有効
- SNS広告・インフルエンサー活用 費用はかかるが即効性あり、フォロワー獲得にもつながる(ただしSNSの構築は大前提)
- 知人からの紹介 最初の数ヶ月の集客には効果的(ただし継続性は期待できない)
開業時の取り組み(実例)

当時はまだSNSが主流ではなかったので、私たちはホームページを立ち上げ、地域のブログを活用しました。
そして雑誌の新規オープン枠で載せていただきました。
ブログでは建築段階からの情報をアップ。
自作したチラシを新聞の折込に入れて配布しました。
配布エリアを細かく絞ることで費用を抑え、確か8万円程度で実施できました。
チラシで気をつけたところは
親しみさと目立たせるために手書きにし、ストーリー性を持たせました。
さらに「チラシの半券を持ってきたらプチデザートサービス」と書き、反応を測れるようにしました。
数は覚えていませんが、思った以上にチラシを持参して来てくれた印象があります。
また、店主である自分の顔写真を載せることで、初めてのお客様の信頼性もUPさせました。
結果的に、取り組んだすべての施策が何らかの成果につながり、「やってよかった」と心から感じています。
初動の集客がカギ!開業直後に閑古鳥を避けるには

僕が今、開業するとしたら上記の他に、SNS広告とインフルエンサー活用(インスタグラム)をします。
インフルエンサーは自分の地域に根ざしたグルメ系アカウント。
インフルエンサーの費用は、アカウントのフォロワー1人あたり2〜5円前後。
これはあくまで目安なので、実際には交渉次第ですが〝万アカ〟といわれるフォロワー数1万人を超えるインフルエンサーでなく、5000人のアカウントでもアカウント次第ではしっかりした成果を得られます。
ただ個人的な印象ですが、インフルエンサーの方は企業に属しないフリーの方が多いせいか、メッセージを送っても返信が遅い場合があるのが注意点です。(僕はレスの遅い人に仕事の依頼はしないタイプです)
どこまで費用をかけるかは手持ちの資金との相談にもよりますが、開業当初から閑古鳥が鳴くような状況は、精神衛生上避けたいです。
どの広告手段を使うかはターゲット層によって考慮しましょう。
〝料理だけ〟では戦いえない時代の戦略とは

SNSは、まさに今の時代ならではの強力な情報発信ツールです。
これからは自己ブランディングが必須で、そのためのライティングスキルも必須の時代です。
なくても戦えますが、これらのスキルを伸ばしておくと戦い方の幅が広がります。
〝飲食店は料理だけ作っていればいい時代ではない、多角的な視点で向き合うことが生き残ることの一つの鍵〟
これは僕の持論ですが、飲食業界はまだまだアナログな人が多い業界。
だからこそ多角的な取り組みをしてスキルを高めること自体が他者との差別化になります。
「苦手」を理由に逃げるのではなく、あえて向き合う。その姿勢が、未来の自分を助けます。
時間が経てば経つほど、この差は〝天と地ほど〟に広がっていきます。
みなさん開業に至るまでに多くの苦労をしてきたと思います。
その苦労を無にしないためにも、開業時に良いスタートを切るためにも、事前に広告戦略を練っておきましょう。
開業初期の広告戦略は“自己投資”と心得よう
飲食店の開業は、料理の腕前だけでは乗り越えられない場面の連続です。
そのなかでも「認知されること」は最初の大きなハードル。
広告戦略は費用をかけるかどうか以上に、「どれだけターゲットに届く設計ができているか」が問われます。
チラシやホームページ、SNSやインフルエンサーなど、手段は多様ですが、どれも大切なのは「誰に何を伝えるか」。そして、その伝え方に“あなたらしさ”があるかどうかです。
たとえ広告が苦手でも、向き合って少しずつ取り組むことが、後々の経営に大きな差を生み出します。
開業時の“静かなスタート”が、繁盛店への第一歩になるよう、広告戦略にもしっかり時間と意識を割いていきましょう。