飲食店は料理の腕だけでは生き残れない厳しい世界

飲食店は料理の腕だけでは生き残れない厳しい世界

「あの人は料理の腕はあったのにね…」

僕が若い頃「あの人は料理の腕はあったんだけどお店を潰しちゃたんだよ」という話をよく聞いたものです。

料理の腕はある=美味しい

はずなのにお店を潰すということは経営者として数字面を見ることが弱かったのだと思います。

実際にお店のトップを務める人の原価計算が雑、という現場をいくつか見てきましたし、居酒屋の店主だと閉店後にレジのお金を掴んで飲みに出歩くなんて話しも聞いたことがあります。

お店のお金は自分のお金でもありますがお店のお金でもありますので、レジのお金を自由に使っていいわけではありません。

この『原価計算』は基礎中の基礎。

僕としては原価計算もできないどんぶり勘定なタイプは事業をやるべきでないと思います。

原価計算を最初はややこしいと苦手意識を持つかもしれませんが大丈夫です!

中卒の僕でもできているので誰でも向き合えば簡単にできます。

若いうちから多角的な視点を意識する

四六時中料理のことを考え休日もいろんな調理を試す料理人の方はたくさんいますが僕はそういったタイプではありませんでした。

今でも周囲の料理人を見て次々に新しい料理を生み出す方々と比べると、僕はスピーディーにアイデアを具現化することは苦手です。

当時から自分の弱みを認識していた僕が料理の変態(良い意味で)がたくさんいるなかで将来お店を持っても戦っていけるのだろうか?という不安はありました。

ですが料理の腕があってもお店を維持できないという話を聞いて「なるほど、料理の技術も重要だけど経営者として数字をしっかり見るだけでなく多角的な視点を養っていくことが必要なんだな。それなら自分でも戦っていけるかもしれない!」と活路を見出したことを記憶しています。

多角的な視点とは?

多角的な視点といっても当時10代の僕が思いつくのは

  • 数字を見ること
  • 人材育成の向き合い方
  • 心地よい接客とは?
  • 自分の努めているお店に対するお客様のニーズはなんなのか?
  • 各お店の強みと弱みは?
  • 仕事の効率化

などでしょうか。

お店を開業する頃からは

  • 税金の知識
  • 自分自身を俯瞰して見る
  • マネジメント
  • 情報発信
  • ライティング
  • マーケティング
  • 自己ブランディング
  • 時代の変化への対応
  • マネーリテラシー
  • ネットリテラシー
  • オペレーション

など、他にも意識するとことは様々あります。

『多角的な視点』というのは一朝一夕で身につくものではありません。

長い時間をかけて学び積み上げ、時にはブラッシュアップすることも必要になります。

開業してからじゃないと見えてこないこともたくさんある、だけど下積み時代にだからこそ見れることもたくさんあります。

料理の腕を上げていきつつ、料理以外の視点も持つように。

多角的な視点を意識することは今からでもできます。

将来開業が目標の方はこのことを頭の片隅に置いておくと必ず役に立ちますので意識していきましょう。