
ジャンルが違うお店も積極的に食べに行く

意外と料理人の間でも行く人、行かない人が分かれるところでもあります。
お店を経営するなら料理人はもちろんですが、オーナーであってもいろんなお店を食べ歩くことが必要です。
和食、洋食、中華、居酒屋、天ぷら、寿司、うどん、蕎麦、ラーメン、洋菓子、和菓子、コースメインのお店、アラカルトメインのお店など。
時代は変化するもの、その中でお客様のニーズも変化する。
自分も年を重ねることで食べ物の趣向が変わるし、食べられる量も減る。
自分のお店と同じターゲット層が行く、他のお店もいい意味でライバル店。
他店の強みと弱みがどこにあるのか。
自分のお店でも取り入れられるものはあるのか。
市場調査という側面もありますが、ただ食べに行くのではなく〝学びを得るため〟に行くのです。
見るべきポイント

食べに行ったときの見るべきポイントはいくつもあります。
- 店構え
- 内装
- 雰囲気
- 居心地の良さ
- 清潔感
- 設え
- 接客対応
- 料理
- メニュー構成
- 料理のポーション
- 価格
- 器
- 規模に対する人員数
- 動線
- オペレーション
その他に、そのお店の主な収益はどこの部分なのか、何を重んじて何を割り切っているのか、どういった方向性で挑んでいるのか、おおよその平均客単価はいくらくらいなのかなど、見るところ以外に見方もさまざまです。
どんなお店にも学びがある

経営をしていると、自分のお店の今の立ち位置が気になり他のお店と比較をして、安心を手に入れるために優位性を意識してしまうかもしれません。
ですが、他店の粗探しをするのではなく行った先の〝良いところ〟や〝変化〟を見ることが需要です。
スタッフが生き生きとしているけどなぜなのか。
そのために店主がどのように接しているのか。
どの部分がお客様からの支持を得ているのか。
どうやって付加価値を付けているのか。
周囲の競合が多いなかでどのように戦っているのか。
物価が上がっているなか中心街でこの価格なら、郊外型でもその価格に近づけても大丈夫かな。
以前と比べると、居酒屋さんでも2時間制というところは増えていますし、香水NGのお店も増えています。
時代の変化とともに飲食店側が言いづらかったことが主張できるようになっていますし、営業時間の短縮もしやすくなっています。
新たな技術を取り入れて話題に富んだお店もあれば、従来のスタイルを崩さないことで支持を得ているお店や、双方をバランスよく取り入れているお店もあります。
今の時代のニーズはどこにあるのか、自分にとって良い方向性はどこなのか、時代にあわせるも自分を貫くも裁量権は責任を負う店主にあります。
自分のお店に今役立つこと、今後役立つことなど学び取っていきましょう。
味がイマイチなお店でも存続している理由がある

美味しいお店が生き残るとは限りません。
自分にとっては美味しくないお店と思っていても、継続されているお店もあります。
ここから見えてくることは、自分の評価は無数にある中の小さな一つの評価に過ぎません。
自分にとってのマズいは誰かの美味しいであり、自分にとっての美味しいは誰かのマズいということ。
価格なのか、雰囲気なのか、店主の人柄なのか、自分の舌がズレているのか、自分の基準で図ることはできない理由を読み取ることが大切です。
一部の営業を見ても全ては見えない

食べに行ったときに、お店の規模と客単価、回転率から大まかな想定売上を算出しますし、それを得意げに豪語する人もいます。
しかし、これには注意点が必要です。
1年365日あるなかのたった1日の自分が滞在した僅かな時間だけ切り取って、すべてを把握することは不可能です。
想定売上から、そのお店のビジネス構造を紐解くことで学びを得ることもできますが、あくまで参考程度に考えておきましょう。
少しづつでも歩み続ける

僕は大きな変化が苦手ですし、他社と比べると経営のスピード感は遅いほうです。
このブログでもよく言っていますが〝現状維持は衰退である〟という危機感も常にあります。
これまでも、捨てることで時間を得て、得た時間で新しい試みをし、ときには既存のメニューをブラッシュアップしてさらなる指示を得て、オペレーションの見直しで現場の環境を改善し、近年では物価高騰による値上げの決断をしたりと、少しづつではありますが変化し続けています。
こうした行動に繋がったのは、いろんなお店を食べ歩き、観察して学びや気づきを得たからこそだと感じています。
テクノロジーの進化により、進化のスピードも増している昨今。
飲食店における環境の変化も著しく、個人店への影響も大きくなっています。
学びを得るための外食は、自分を磨くための自己投資です。