
売上はすべてを癒やす
開業すれば日々の支出に加え、設備のメンテナンスや運営資金を捻出するために頭を悩まされます。
ときには突発的な故障や、ちょっとした備品でも数が増えると地味に痛いです。
利益は出ても、その中から自分たちの生活費もいるし、その後の貯蓄も必要だけど店舗にも資金は必要。
開業して数年だと、先の流れを読むにもデータが薄いから判断がしにくい。
そんなことはよくあることです。
そんな状況から脱却したいなら方法は一つ。
『売上を上げる!』
これにつきます。
売上はすべてを癒すと言う言葉がありますが、実際に経営するなかで実感しています。
収益の最大化を図るために分析をする

数字を上げるためにまずは認知してもらわないといけません。
そのためにホームページを開設したり、SNSを運用したり、パンフレットを作成したり方法はいろいろありますが、どれも短期で成果が出るものではありません。
人の繋がりで伝わるリアルな口コミをしてもらうために、質の高い料理を提供することで信頼を得ることも一つです。
そして、営業時間内に最大で何人のお客様を対応することができるのか。
そのために何人のスタッフが必要でどれだけの準備、段取りが必要なのか。
自分のお店のレベルだとお客様がどこまでお金を出していただけるのか。
対応客数に限りがあるなら、どのように客単価をあげればいいのか。
もしかするとFLRコストが高すぎるのかもしれない、それならどこを見直せばいいのか。
あれもこれもやりたいという感情から無駄な仕事が多いのかもしれない、そうだとするならば無駄な仕事をやめることで有益な仕事に時間を使って売上に寄与できるかもしれない。
滞在時間の長いジャンルなら、付加価値を高めて客単価を上げることを考える。
滞在時間の短いジャンルなら、動線や段取りを考えオペレーションを詰めることを考える。
長期保存が可能で発送できる商品があるなら、そこを強化することも一つの策。
飲食店の数だ戦い方はあるので、正解は一つだけではありません。
『自分じゃなきゃならない理由』をお客様視点で見ることが重要です。
自分のお店の強みを知る

お店の強みは売上に大きく貢献している部分のことです。
質の高い料理、日常使いに最適な料理、大切な人を連れて来たくなる料理、アイデア溢れる話題性のある料理、提供の演出、空間創り、イベントごとに強い商品、大量生産ができる、生産行為率は悪いがそこでしか食べれない料理、回転率が高い、決断行動が早い、課題解決が得意、SNS運用に長けている、徹底した数字管理ができる、スタッフのモチベーションを上げるのが上手など。
料理以外にも売上に貢献してる要素はたくさんあります。
お店の生命線と言える収益の源泉がどこの部分によって成り立っているのか、一歩引いて俯瞰して見て認識する。
例えば。
付加価値の高い食材や調理法を用いることでさらに客単価を上げることができるかもしれない。
一品のすすめ方を工夫するだけで一品の出数が増え、客単価が上がるかもしれない。
店内の雰囲気の良さをSNSでアピールすることで来店に繋がるかもしれない。
イベントを開催することでメディアに取り上げられ、認知が広げられるかもしれない。
普段見えることのない調理の裏側の動画をアップすることで信頼度が高まるかもしれない。
自分のお店の強みを知り、さらに強化することで売上を伸ばすことは確実にできます。
強みを活かすために何をすればいいのか

ここからは僕のお店の実例を上げて解説していきます。
僕のお店の強みの一つは『回転率が高い』ことです。
回転率の高さを活かすために営業中に意識することは。
食材の準備と段取りはしっかりやる(頻繁に使う食材はタッパーに小分けしてすぐ出せるようにする)
二手三手仕事の先読みをしながら対応(常に頭はフル回転)
自分の動きは無駄なく素早く的確に(自分の生産効率を上げることが重要)
仕込みに手間はかけるが調理が一人なので、提供に手間がかかりすぎるメニューは省く(ここではお客様の満足度よりも実利を優先しています)
ホールスタッフも自分で考えて動けるように育成する(100%は無理だが、言葉を発さなくても連携が取れるようにする)
状況により必要であればテーブルコントロールを徹底する(4名テーブルにお一人様を誘導しないようにする)
などありますが仕込みなどでは、できるものは同時進行で仕込みを行います。
スタッフにもよく伝えていることですが、人のスピードには限界があるので、無駄なく効率よく仕事をすることが生産効率上げる鍵になります。
こういった対策はなんとなくやるものではなく、よく考えることです。
考えるスキルが弱いと、課題解決にはたどり着けません。
課題解決を進めることが売上に直結します。
マイペースでせかせか仕事をしたくない人には飲食店は向かない傾向が高いですね。
お客様のニーズを汲みとる

料理、非日常、空間、使い勝手の良さ、予約が取れなくてプレミア感がついている、店主の人柄、価格、サービスなどその他いろいろありますがどの部分でリピートしてくださっているのか。
メニューを増やせば良いというものでもないが、あまりに少ないと選ぶ楽しさもなくなる。
運営していくなかで売上貢献度の低いメニューをやめる。やめることでその分の仕込みの時間が空き別のことに注力を注げ新たな発見がある。
このメニューを出せば人気がでるが客単価が下がる。客単価が下がる場合は別の食材を組み合わせて付加価値を上げて価格を上げる。そうすることで客単価を上げ満足度を上げることもできる。
お客様からの要望で「これとこれを食べたいけど食べきれない」というお声から、それぞれ半分ずを付けたメニューを出すことで一気に出数が増えることもある。
お客様のニーズを汲み取り、独りよがりにならずに客観的に見たうえで高めるところは高めることが収益の最大化に繋がります。
特殊な事情がある方は除きますが、店舗を構えても消費税を払いたくないがために年商1000万に抑える方もいます。
独立したら収益は青天井…とまでは言いません。
数字を上げることはそんなに簡単なことではありませんが、リスクを負って構えた店舗なのに収益を上げる努力をしないなら雇われのままで良かったんじゃないのかなと思います。
店舗は構えて終わりではなく、その後のメンテナンス費用も捻出していかねばなりませんからね。