「うちはアナログでいい」はもう通用しない?個人店がDX時代を生き抜く方法

「うちはアナログでいい」はもう通用しない?個人店がDX時代を生き抜く方法

企業のDX化

DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいて業務効率、改善の取り組みが盛んになっています。

飲食業界でもDX化が進み、大手だけでなく個人店でも導入が進んでいます。

セルフオーダー、セルフレジ、配膳ロボ、モバイルオーダー、QRオーダー、自動予約システム、ネット注文(仕入れ)など。

POSレジのおかげで事務作業もかなり軽減されていますね。

ここ数年で一気に普及していて出始め当初はよくわからないという理由で抵抗を感じていた人も多いと思いますが、実は僕もその一人で外食時のセルフオーダー、スーパーなどのセルフレジが出始めの頃はていこうがありました。

今となっては当たり前になっています。

導入までは抵抗があるけど使ってみると便利なこともかなりある。

大手が先頭を切ってDX化していってくれることで、個人店でも扱いやすいものがでてくると思います。

今の段階では自分のお店は対象外と思わず、もしかしたら必要になるときのためにシミュレーションだけはしておいた方がいいです。

人材確保が難しい時代

人口減少が進み、仕事も多様化していくなかで飲食店も人材確保がさらに難しい時代になっています。

2035年までに最低賃金一律1500円を目指すと言っていたのが、政権が変わってから2030年に前倒しになっています。

最低賃金は都会と地方で差はあれど、今の1000円から1500円に上がる。

上がった500円分を価格に転嫁するのは、食材の上がり幅以上に影響が大きいです。

若い世代も仕事の向き合い方が変わり、僕らが若い頃のようにアルバイトするならシフトをガッツリ入れるという時代でもないため、必要以上にスタッフを抱え込み、仕事を教える労力も増るという連鎖が生まれやすくなっています。

人手不足でお店が開けない事態を解消するためのシステム導入が必要かもしれない

僕のお店の今後の対応

僕のお店でもPOSレジを導入してからの便利さを実感しています。

手軽に過去のデータチェックができ、売上も見ることができるため、月の売上予測もしやすくなりました。

客単価も自分で計算していたものが自動になり、商品の出数も正確にわかるので今後の分析に役立ちます。

現時点ではセルフオーダーを導入する予定はあります。

セルフオーダーを導入することで『オーダーを聞きにいく時間を省ける』トータル金額がレジに転送されるので『レジでの勘定入力がなくなる』『金額の入力ミスがなくなる』そして『僕らがスタッフに教える労力が格段に減る』

成功すれば大きなメリットがありますが、導入には必ず課題が出てくるため慎重に対応する必要があります。

導入しても数年間はスタッフを削ることは考えておらず、不慣れな方に寄り添うためのスタッフは必要。

ですが、もしもスタッフが一人欠員になってもお店はなんとか回せるという状況はできます。

僕のお店の場合は『回転率が高い』という事情があるのでこういった対応になりますが、どう対応するかはお店によって変わります。

今後導入しないものは券売機と配膳ロボ。

理由は券売機はお店の雰囲気に合わない。

配膳ロボは小箱のお店では活用しきれないからです。

将来的にはセルフレジになればいいけど、個人のお店でお客様との接触が減るのもどうかな?と考えるとセルフレジまではやらなくても大丈夫かな?っといった感じです。

新しいこれらのシステムは活用しながら改善され良いものは残り、そうでないものは淘汰されていくのでその時々で自分のお店には何が活用できるのか、正解はありませんが模索し続けていきます。

検討をしておいても無駄ではない

システムを導入すると便利になりますが、費用は必ずかかります。

僕としては導入費用は必要経費。

その出費以上に稼げばいいという考えですが、僕のお店は10年以上積み上げてきて資金の余裕があるからこそ言えることでもあります。

もしも開業したてだったらそこまでの余裕はないと思います。

感情的にも。

資金的に余裕がない方は、即導入とまではいかなくても検討はしておいたほうがいいです。

いつ何時必要になるかわかりませんし、変化が激しいが故に突然向き合わねばならない事態になるかもしれません。

変化は発展、現状維持は衰退

今に始まったことではありませんが、これからはパート・バイトさんを確保するのも難しくなってきます。

世代によって仕事に対する向き合い方も変わります。

僕らが「今の若いもんは…」と言われてきたように若い世代の価値観は変わって当然。

価値観の変化なのか、接客というのはある意味『演者』であるという考えすら薄く、自分のプライベートと同じような接し方するケースも多いように感じます。

それでも僕らは若い方々の価値観を容認していかねばなりません。

人材育成も一昔前のような教え方ではいけないので、これもアップデートが必要。

飲食店だけでなく働く現場は確実に変化しています。

業務改善、効率化以外にもスタッフの管理システム、マニュアル作成などの活用も必要になるかもしれません。

場合によっては大手がDX化を図って人とのコミュニケーションが減るから、その逆張りであえて対人コミュニケーションを強化するというのも一つの手段です。

今は変化に慣れていかないといけない時代ですね。

現代における産業革命

イギリスを初めとする産業革命が起こり、技術革新を通じて工業化が進み生産性が飛躍的に向上した18世紀後半。

その反面、深刻な公害なども発生しました。

当時を生きる人々のなかで工業化を受け入れて富を手に入れた人。

工業化を受け入れられず機械を破壊するなどの行為に走り時代に取り残されていった人々がいました。

10数年前にスマホが登場してからの技術の進歩が凄まじくより豊かになっているのを感じます。

ITを上手く活用する人と、そうでない人の構図はまさに現代における産業革命ではないでしょうか。

だからこそ敬遠せずに何でも触れてみる

経営者になるならなおさら。

世代によってITが苦手という人はいますし気持ちはよくわかります。

僕もITは苦手ではっきり言って面倒くさい。

でも向き合う努力はしていかなきゃならない。

なぜなら今の時代に必須のスキルだから。

これから先、ITは僕らの生活にもっと入り込んでくる。

ITのプロになる必要はありません。

何事も面倒くさがらず触れていくことで少しずつ慣れていくこと、自分のペースで学んでいくことが重要ですね。

今の時代、飲食店経営は料理だけ作れればいいという時代ではなく、多角的に物事を見るスキルも必要です。